2008年10月1日で創業78周年を迎えたラオックスは,崖っぷちから足を踏み外して谷底に落ちてしまったようだ. 2009年2月17日(火),ラオックス(LaOX)の郊外型家電量販店を,神奈川県を中心に展開している同じ業界のノジマに譲渡すると発表した. 実質上の経営破綻となる.
↓船橋市浜町2丁目にあったラオックスビビットスクエア店. 2007年1月に閉店した.
千葉県,埼玉県,神奈川県などの郊外型店舗27店のうち,収益の見込める15店舗が譲渡対象となる. 残りの郊外型家電量販店12店は,2009年9月までに全て閉鎖することになる. ラオックスブランドの店舗は,東京秋葉原地区の MUSIC VOX AKIHABARA店など2店舗だけとなる.
ラオックスは,具体的な譲渡店舗名を公表していないが,ある程度の規模の店舗でないと収益をだせないため,おそらく,幕張,コルトンプラザ,新成田,西葛西,新所沢,吉川,南浦和,北浦和,新川口,新桶川,青戸,調布パルコ,モリタウン,金沢八景,横須賀あたりになると思われる.
↓市川市のラオックスコルトンプラザ店.
ノジマは,4月中旬までに新会社の(仮称)ノジマ関東を設立し,現ラオックスから全株式を譲り受ける. 譲渡額は明らかでないが,株価は18円になっていることなどから,1.2億円程度と思われる. また,引き継がれる予定の15店舗に在籍している正社員171人も,基本的にそのままノジマ関東に引き継がれる.
ラオックスは,東京都秋葉原発祥の家電量販チェーン店だ. 1963年(昭和38年)から郊外型の店舗を積極的に出店し,2000年度には2000億円の売上高にまでなっている. しかし,同じ郊外型家電量販店であるヤマダ電機やコジマ,ケーズデンキなどとの競争に敗れ,業績がしだいに悪化していく. そして,2001年度には赤字に転落してしまう.
↓左写真は,2005年ごろまで習志野市芝園2丁目にあったラオックス配送センター.
その後,ラオックスは8年間一度も黒字になっていない. 2004年には,MKSパートナーズの企業再生ファンドの出資を受け,経営の立て直していた. しかし,経営は改善しなかった.
2008年11月には,ラオックス直営の不採算店舗9店舗閉鎖に,さらに4店舗の閉鎖を追加して13店舗を閉鎖と従業員300人を削減することにしていた.
↓ラオックス津田沼店の在庫一掃セール.
100年に一度の金融恐慌,未曾有(みぞう)の消費不況,大手不動産や建築会社の大型倒産の多発,自動車や大手電気会社の大幅減益と巨額の赤字,賞与の大幅減額など最悪な経済環境が重なり,2008年度の売上高見込みは349億3700万円と,2000年度の5分の1以下となってしまった.
ラオックスの筆頭株主はオックスフォード(有)だ. オックスフォードは,(株)MKSパートナーズが投資事業運営のために設立した特別目的会社(SPC)で,実質上の支援母体はMKSパートナーズにある. MKSパートナーズは,ラオックスの他にも靴下や下着の福助なども支援している. MKSパートナーズは,2つの投資ファンドを運営し,ファンドの規模は合計約600億円とされている. しかし,2008年初めごろからラオックスとMKSパートナーズとの関係が悪くなり,ラオックスは約5億の費用をかけて自己株取得のため公開買い付けをおこなっていた. MKSパートナーズも,世界的な金融不安の影響で投資ファンドを徐々に縮小している.
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(2009年01月24日)崖っぷちのラオックス@東習志野ショッピングモール・ラオックス東習志野(4)
(2009年01月24日)崖っぷちのラオックス@秋葉原・ラオックス(3)
(2009年01月24日)崖っぷちのラオックス@秋葉原・ラオックス(2)
(2009年01月04日)崖っぷちのラオックス@習志野市津田沼・ラオックス津田沼店完全閉店(1)
↓船橋市浜町2丁目にあったラオックスビビットスクエア店. 2007年1月に閉店した.
千葉県,埼玉県,神奈川県などの郊外型店舗27店のうち,収益の見込める15店舗が譲渡対象となる. 残りの郊外型家電量販店12店は,2009年9月までに全て閉鎖することになる. ラオックスブランドの店舗は,東京秋葉原地区の MUSIC VOX AKIHABARA店など2店舗だけとなる.
ラオックスは,具体的な譲渡店舗名を公表していないが,ある程度の規模の店舗でないと収益をだせないため,おそらく,幕張,コルトンプラザ,新成田,西葛西,新所沢,吉川,南浦和,北浦和,新川口,新桶川,青戸,調布パルコ,モリタウン,金沢八景,横須賀あたりになると思われる.
↓市川市のラオックスコルトンプラザ店.
ノジマは,4月中旬までに新会社の(仮称)ノジマ関東を設立し,現ラオックスから全株式を譲り受ける. 譲渡額は明らかでないが,株価は18円になっていることなどから,1.2億円程度と思われる. また,引き継がれる予定の15店舗に在籍している正社員171人も,基本的にそのままノジマ関東に引き継がれる.
ラオックスは,東京都秋葉原発祥の家電量販チェーン店だ. 1963年(昭和38年)から郊外型の店舗を積極的に出店し,2000年度には2000億円の売上高にまでなっている. しかし,同じ郊外型家電量販店であるヤマダ電機やコジマ,ケーズデンキなどとの競争に敗れ,業績がしだいに悪化していく. そして,2001年度には赤字に転落してしまう.
↓左写真は,2005年ごろまで習志野市芝園2丁目にあったラオックス配送センター.
その後,ラオックスは8年間一度も黒字になっていない. 2004年には,MKSパートナーズの企業再生ファンドの出資を受け,経営の立て直していた. しかし,経営は改善しなかった.
2008年11月には,ラオックス直営の不採算店舗9店舗閉鎖に,さらに4店舗の閉鎖を追加して13店舗を閉鎖と従業員300人を削減することにしていた.
↓ラオックス津田沼店の在庫一掃セール.
100年に一度の金融恐慌,未曾有(みぞう)の消費不況,大手不動産や建築会社の大型倒産の多発,自動車や大手電気会社の大幅減益と巨額の赤字,賞与の大幅減額など最悪な経済環境が重なり,2008年度の売上高見込みは349億3700万円と,2000年度の5分の1以下となってしまった.
ラオックスの筆頭株主はオックスフォード(有)だ. オックスフォードは,(株)MKSパートナーズが投資事業運営のために設立した特別目的会社(SPC)で,実質上の支援母体はMKSパートナーズにある. MKSパートナーズは,ラオックスの他にも靴下や下着の福助なども支援している. MKSパートナーズは,2つの投資ファンドを運営し,ファンドの規模は合計約600億円とされている. しかし,2008年初めごろからラオックスとMKSパートナーズとの関係が悪くなり,ラオックスは約5億の費用をかけて自己株取得のため公開買い付けをおこなっていた. MKSパートナーズも,世界的な金融不安の影響で投資ファンドを徐々に縮小している.
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