裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)が2009年5月21日から施行され,裁判員制度が正式にスタートした. 一般市民から抽選で選ばれた裁判員が,実際に加わる裁判は,2009年7月下旬から開始される予定だ. では,裁判員制度はどうして導入されることになったのだろうか.
市川市鬼高の千葉県市川簡易裁判所.
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企業のグローバル化が進む中,米国式コンプライアンス(法令厳守)やビジネスエシックス(経営倫理)が求められるようになってきている. そのような流れの中,米国政府から日本政府への改革要望書が毎年だされ,その中には,金融サービス透明性の改善や公取委の独立性と職員数の増員,弁護士の自由化などが求められている. 特に,司法制度を一般市民やビジネスから,より身近なものにすることも要望されていた.
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たしかに,米国司法改革を求めてはいたが,米国式陪審員制度を改良した日本版陪審員制度(裁判員制度)の導入を望んでいたわけではなかった. しかし,なかなか進まない司法改革に,進み具合は遅いものの「改革は進んでいるというポーズを示すために,利害関係の少ない刑事裁判のアメリカンスタンダード化を進めた」といわれている. こんな裁判員制度の PR に,最高裁は約65億8000万円もの巨費を投じた. また,裁判員制度一般市民に支払う日当や旅費として,毎年約32億円が必要となる.
千葉市中央区中央4丁目千葉地方裁判所本庁.
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では,裁判員裁判を行う裁判所はどこにあるのだろうか. 地方裁判所(通称,地裁)は,47都道府県庁所在地のと3地方を加えた計50箇所にある. 50地方裁判所の本庁のほかに,10箇所の地方裁判所支部で,裁判員制度の裁判が行なわれる. 千葉県には7支部あるが,裁判員裁判を行う裁判所は,千葉市中央区中央4丁目千葉地方裁判所本庁のみとなる.
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その地方裁判所の下位裁判所として簡易裁判所(通称,簡裁)がある. 千葉県には11箇所の簡易裁判所があるが,もっとも船橋市に近い簡易裁判所は,市川コルトンプラザ前にある市川簡易裁判所となる.
↓市川市鬼高の千葉県市川簡易裁判所.
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簡易裁判所では,民事事件の他にも,軽微な刑事事件もあつかうが,裁判の裁判官は1人のみで,罰金の最高額は100万円まで,懲役の最長期は3年までとなっている.
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(2008年11月28日)裁判員になったら(1)