北朝鮮が,2009年4月4日(土)から4月8日(水)の間に人工衛星(通信衛星)を打ち上げると通告してきた.
↓北朝鮮北部の丸い円は,舞水端里(ムスタンリ)にあるミサイル基地. 今回も,ここから発射される.
しかし,その北朝鮮の人工衛星の打ち上げロケット(ミサイル)は,弾道ミサイルテポドン2号の改良型だ.
北朝鮮では,ミサイルを文化2号や銀河2号とよび,通信衛星を光明星2号と読んでいる. 4月4日(土)の北朝鮮の天候にも問題がないため,予定通り 11:00AM に発射される見込みだ.
すでに日本政府は,日本国内にミサイル(通信衛星)が落下をする可能性があるとし,自衛の目的で破壊措置命令を発令している.
それに対して北朝鮮は,「全ての国が平和な宇宙計画を開発することは合法的な権利である」と主張している.
「日本や米国がミサイルの迎撃を行った場合,核兵器計画を終わらせるための6カ国協議を脱退する」と警告している. また,北朝鮮外務省は,「泥棒が泥棒を捕まえろと叫んでいる」とも言っている.
↓北朝鮮が通告してきた弾道経路.
仮に平和目的であるとしても,北朝鮮の弾道ミサイルテポドン2号には不安が多い. ロシアの専門家でさえも,「北朝鮮のテポドンの評価は最低ランクで,とても大陸間弾道ミサイルを設計製造して飛ばせるような技術レベルではない」と言いきる.
↓今回のテポドン2号は,3段式ミサイル改良型とされ,射程距離が 8500km-10000kと推測されている.
↓左の首都圏の衛星写真の赤い部分が,PAC3 でミサイル追撃できる範囲. ↓右の首都圏の衛星写真の赤い部分が,今回特別に配置変更された PAC3 でミサイル追撃できる範囲.
テポドンは,ロシアのミサイルであるスカッドDと潜水艦用ミサイル R-27をベースに作ったとされている. 多段式ロケット構成となっていて,1段目(ノドン)と2段目(スカッド系)が液体燃料,3段目が固体燃料となっている. ロシアの技術者は,継ぎ足したり束ねたりするような設計には限界があるとも言っている.
↓船橋市薬円台3丁目の習志野駐屯地にも,地対空ミサイルシステムであるペトリオットミサイル(パトリオットミサイル)が配備されている. ミサイルに対する射程距離は,約 20km だ.
北朝鮮のテポドンは,過去に何度も失敗している. 1998年のテポドン1号も技術的には失敗作だ. その後継であるテポドン2号も過去に発射に失敗して大事故をおこしている.
2006年7月5日に発射した長距離弾道ミサイルテポドン2の失敗だ. 北朝鮮は正式には何も発表していないが,米国の偵察衛星や弾道ミサイル発射監視機コブラボールなどによってその詳細がわかっている.
この時のテポドン2号は,北朝鮮北部の舞水端里(ムスタンリ)にあるミサイル基地からハワイ沖に向け発射された. しかし,発射直後に1段目と2段目が折れるように分離し,1段目は後方に反り返りながら基地から約 2km の地点に落下した. 北朝鮮の事故ではないが,中国の長征3号の打ち上げ失敗では,そのロケット破片が街を直撃して住民数500人以上死亡するという大事故もおきている.
では,今回の弾道ミサイルテポドン2号はどうなのか. 「未熟な技術がゆえにどこに飛んでいってもおかしくない」というのが,専門家の共通の認識事項だ. 秋田県や岩手県上空を通過してハワイ沖に向かうとされているが,発射失敗により関東圏上空になることも考えられる. もし,失敗した場合に追撃するのがペトリオットミサイル(PAC3)だ. しかし,ペトリオットミサイルの性能上 20km の射程距離しかない. もし,人工衛星なのであれば,むしろ打ち落とさない方が安全という専門家もいる.
↓北朝鮮北部の丸い円は,舞水端里(ムスタンリ)にあるミサイル基地. 今回も,ここから発射される.
しかし,その北朝鮮の人工衛星の打ち上げロケット(ミサイル)は,弾道ミサイルテポドン2号の改良型だ.
北朝鮮では,ミサイルを文化2号や銀河2号とよび,通信衛星を光明星2号と読んでいる. 4月4日(土)の北朝鮮の天候にも問題がないため,予定通り 11:00AM に発射される見込みだ.
すでに日本政府は,日本国内にミサイル(通信衛星)が落下をする可能性があるとし,自衛の目的で破壊措置命令を発令している.
それに対して北朝鮮は,「全ての国が平和な宇宙計画を開発することは合法的な権利である」と主張している.
「日本や米国がミサイルの迎撃を行った場合,核兵器計画を終わらせるための6カ国協議を脱退する」と警告している. また,北朝鮮外務省は,「泥棒が泥棒を捕まえろと叫んでいる」とも言っている.
↓北朝鮮が通告してきた弾道経路.
仮に平和目的であるとしても,北朝鮮の弾道ミサイルテポドン2号には不安が多い. ロシアの専門家でさえも,「北朝鮮のテポドンの評価は最低ランクで,とても大陸間弾道ミサイルを設計製造して飛ばせるような技術レベルではない」と言いきる.
↓今回のテポドン2号は,3段式ミサイル改良型とされ,射程距離が 8500km-10000kと推測されている.
↓左の首都圏の衛星写真の赤い部分が,PAC3 でミサイル追撃できる範囲. ↓右の首都圏の衛星写真の赤い部分が,今回特別に配置変更された PAC3 でミサイル追撃できる範囲.
テポドンは,ロシアのミサイルであるスカッドDと潜水艦用ミサイル R-27をベースに作ったとされている. 多段式ロケット構成となっていて,1段目(ノドン)と2段目(スカッド系)が液体燃料,3段目が固体燃料となっている. ロシアの技術者は,継ぎ足したり束ねたりするような設計には限界があるとも言っている.
↓船橋市薬円台3丁目の習志野駐屯地にも,地対空ミサイルシステムであるペトリオットミサイル(パトリオットミサイル)が配備されている. ミサイルに対する射程距離は,約 20km だ.
北朝鮮のテポドンは,過去に何度も失敗している. 1998年のテポドン1号も技術的には失敗作だ. その後継であるテポドン2号も過去に発射に失敗して大事故をおこしている.
2006年7月5日に発射した長距離弾道ミサイルテポドン2の失敗だ. 北朝鮮は正式には何も発表していないが,米国の偵察衛星や弾道ミサイル発射監視機コブラボールなどによってその詳細がわかっている.
この時のテポドン2号は,北朝鮮北部の舞水端里(ムスタンリ)にあるミサイル基地からハワイ沖に向け発射された. しかし,発射直後に1段目と2段目が折れるように分離し,1段目は後方に反り返りながら基地から約 2km の地点に落下した. 北朝鮮の事故ではないが,中国の長征3号の打ち上げ失敗では,そのロケット破片が街を直撃して住民数500人以上死亡するという大事故もおきている.
では,今回の弾道ミサイルテポドン2号はどうなのか. 「未熟な技術がゆえにどこに飛んでいってもおかしくない」というのが,専門家の共通の認識事項だ. 秋田県や岩手県上空を通過してハワイ沖に向かうとされているが,発射失敗により関東圏上空になることも考えられる. もし,失敗した場合に追撃するのがペトリオットミサイル(PAC3)だ. しかし,ペトリオットミサイルの性能上 20km の射程距離しかない. もし,人工衛星なのであれば,むしろ打ち落とさない方が安全という専門家もいる.