成田空港と羽田空港を結ぶ,リニア羽田成田新幹線構想が持ち上がっている. 未曾有(みぞう)の不景気を立て直すための景気対策としての提案だ. 国土交通省の試算では,建設費3兆円でできるとしている.
海外の主な空港を見ると,都心から空港までの時間は,ロンドンのヒースロー空港が鉄道で15分,パリのシャルルドゴール空港が鉄道で27分,ニュウヨークのJ.F.ケネディ空港がバスで40分となっている. 一方,日本の東京の場合,東京駅から羽田空港までが27分,東京駅から成田空港まで60分となっていて,かねてから日本の玄関口としては貧弱だといわれている.
現在,国土交通省の案では,在来線を活用するもので,2010年度開業の成田新高速鉄道(北総鉄道)と都営浅草線の改良,京浜急行線を活用して,成田空港-羽田空港間を約65分で結ぶものだ. それに対して,リニア羽田成田新幹線構想では,時速300Kmのリニアモーターカー(リニア)で約27分,時速500Kmで約13分で結ぶ.
リニア羽田成田新幹線構想の話は,今回初めて出てきたものではない. 神奈川県の松沢成文知事(まつざわしげふみ)も,同じような構想を2007年にぶち上げている. その松沢知事案では,最終的には在日米空軍の基地の横田飛行場((仮称)横田空港)を結ぶとしている. すでに中国では,浦東空港と上海市内の間で,ドイツ製リニアが運行されている. さらに,2010年の上海万博までに都心部の虹橋空港まで伸ばす計画も進んでいる.
もともと,東京駅-成田空港間には成田新幹線構想があり,現在のJR京葉線東京駅から東京メトロ東西線を沿うように江戸川放水路まで走らせ,東西線原木駅手前で地下へ入り,中山競馬場あたりから地上で出て千葉ニュータウン方面へ向かうというものだった. しかし,成田空港開業の遅れや,国鉄の解体も重なり,成田新幹線構想は消滅した.
その後,1989年に核都市連絡環状高速鉄道構想として,当時の国土庁と7都県市での共同提案が行われている. だが,リニア技術が確立されていなかったことなどから,実現はされなかった. 今回,試算されたリニア羽田成田新幹線構想案は,成田空港,羽田空港,そして横浜市を結ぶものだ. 途中駅は公表されていないが,勝手に検討してみよう.
たしかに,成田空港と横浜市を直線で結ぶとその直線上に羽田空港がある. しかし,都心と結ぶ経路がなければ意味がない.
また,JR東海が,2025年に開業で進めているリニア中央新幹線と接続するのがベストだ. すでに,JR東海は品川駅を始発とすると発表していることを考えると,品川駅(もしくは(仮称)新品川駅)に接続するのがよい.
では,品川駅と成田空港を最短距離で結ぶとどうなるだろうか. ちょうど,JR南船橋駅をかすめるように通過することになる. JR南船橋駅であれば,連絡駅にも調度よい場所でもある.
しかし,実際は,東京駅は外せない. となると,このような経路になるものと思われる. だが,成田新高速鉄道などを建設していることもあり,実現性は低いだろう.
土地の収用のいらない大深度地下利用制度と,最新のシールドマシン(1日あたり7mは掘れる)を使えば,関連工事も含めて5年程度の工期で建設は可能だ.
<関連記事>
(2008年02月24日)JR東海リニア中央新幹線構想スタート@東京始発ルート編(1)
(2007年02月09日)幻の新幹線(3)
(2005年01月07日)幻の新幹線(2)
(2005年01月06日)幻の新幹線(1)
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現在,国土交通省の案では,在来線を活用するもので,2010年度開業の成田新高速鉄道(北総鉄道)と都営浅草線の改良,京浜急行線を活用して,成田空港-羽田空港間を約65分で結ぶものだ. それに対して,リニア羽田成田新幹線構想では,時速300Kmのリニアモーターカー(リニア)で約27分,時速500Kmで約13分で結ぶ.
リニア羽田成田新幹線構想の話は,今回初めて出てきたものではない. 神奈川県の松沢成文知事(まつざわしげふみ)も,同じような構想を2007年にぶち上げている. その松沢知事案では,最終的には在日米空軍の基地の横田飛行場((仮称)横田空港)を結ぶとしている. すでに中国では,浦東空港と上海市内の間で,ドイツ製リニアが運行されている. さらに,2010年の上海万博までに都心部の虹橋空港まで伸ばす計画も進んでいる.
もともと,東京駅-成田空港間には成田新幹線構想があり,現在のJR京葉線東京駅から東京メトロ東西線を沿うように江戸川放水路まで走らせ,東西線原木駅手前で地下へ入り,中山競馬場あたりから地上で出て千葉ニュータウン方面へ向かうというものだった. しかし,成田空港開業の遅れや,国鉄の解体も重なり,成田新幹線構想は消滅した.
その後,1989年に核都市連絡環状高速鉄道構想として,当時の国土庁と7都県市での共同提案が行われている. だが,リニア技術が確立されていなかったことなどから,実現はされなかった. 今回,試算されたリニア羽田成田新幹線構想案は,成田空港,羽田空港,そして横浜市を結ぶものだ. 途中駅は公表されていないが,勝手に検討してみよう.
たしかに,成田空港と横浜市を直線で結ぶとその直線上に羽田空港がある. しかし,都心と結ぶ経路がなければ意味がない.
また,JR東海が,2025年に開業で進めているリニア中央新幹線と接続するのがベストだ. すでに,JR東海は品川駅を始発とすると発表していることを考えると,品川駅(もしくは(仮称)新品川駅)に接続するのがよい.
では,品川駅と成田空港を最短距離で結ぶとどうなるだろうか. ちょうど,JR南船橋駅をかすめるように通過することになる. JR南船橋駅であれば,連絡駅にも調度よい場所でもある.
しかし,実際は,東京駅は外せない. となると,このような経路になるものと思われる. だが,成田新高速鉄道などを建設していることもあり,実現性は低いだろう.
土地の収用のいらない大深度地下利用制度と,最新のシールドマシン(1日あたり7mは掘れる)を使えば,関連工事も含めて5年程度の工期で建設は可能だ.
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