受験シーズンも,ほぼ終了だ. しかし,千葉県の学習塾業界や中学校の進路指導室などに激震がおきている. 2009年度の千葉県公立高入試は,特色化選抜試験が2009年2月6日(金),一般選抜試験が2009年2月26日(木)-2月27日(金)におこなわれた. 特色化選抜は各校独自の試験が行われるが,一般選抜は千葉県内統一の試験内容となっている. その,千葉県公立高校一般選抜試験が,中学校の教育だけでは解けないような難解な問題となっていのだ.
そのため,過去最低だった2008年度よりもさらに平均点は下がり,速報の集計値では平均230点になりそうだ. いままでは考えられないような点数だ. 2009年2月26日(1日目)には,5教科(国,数,英,理,社)の学力検査(学力テスト)がおこなわれた. 各科100点満点で500点が最高点となる. いままでの偏差値50のラインでは,5教科×60点で300点あたりになるのが普通だった.
過去の千葉県一般選抜試験の平均点の推移を見てみると,2006年の平均点が303点,2007年が293点,2008年度が265点と,年々難しくなっているのだ. 一時的なものではなく,意図的に難解にしているのだ. だが,千葉県は,難解な問題にしている理由を明確に説明していない.
その理由として考えられるのが,20011年度(現在の中学校1年生が対象)の入試から実施される,新入試制度を前倒ししているのではないかという説だ. 特色化選抜が廃止され代わりに,前期試験(1次募集)がスタートする. 前期試験は,現在の一般選抜に近い形態となり,普通科の場合定員の60%(幕張総合は80%)までの枠を学校別に設定できる. 現在の一般選抜は,後期試験(2次募集)に変わる.
とはいえ,一般選抜試験の難問化でも,全体の点数は下がるものの偏差値のしくみ上変わらない. しかし,その中身は異なる. 特に影響するのは,偏差値55以上の学校への受験生だ. いままでは,難解な問題が少なかったため,高得点者層は団子状になっていた. 結局,内申書でしか選抜できなくなっていた. しかし,この内申書があてにならないのだ. 中学校の内申点は絶対評価になったといえども,学校によってばらつきが大き過ぎる. 絶対評価の基準が曖昧だからだ. しかたがなく千葉県は,1科目あたりの平均内申点を 3.5 にするようにと指針をだした. 絶対評価の場合,ほんとうに全員が優秀であれば,平均 5 を出してもよいはずだ. でありながら,相対評価への変更とも受け止められるような指針は,すでに千葉県の内申点制度が破綻しているともいえる.
私立校のような難解な問題になることによって,高得点が散らされ,難関校にとってはより選抜しやすくなる. しかし,このような難問傾向にも課題がある. 学校では教えないような難解な問題になると,学習塾へ通う受験生が有利になるからだ. 「公立校という立場を考えると,金持ちだけが有利になるのはいかがなものか」という主張だ.
なぜ新入試制度を難しくしなければならないのか. そのひとつに,私立校の躍進がある. 特に,成績優秀者が都心の難関私立校や千葉県内の難関私立校へ流れている. 千葉県としても,なんとかこの流れを食い止めたい.
また,もっと遠い将来には,市町村の大規模合併や,県の廃止を前提とした道州制の導入制の流れがある. 千葉県には,まだ学区制度が存在するが,学区制度の全面廃止か地域の大幅な拡大もありえるかもしれない. すでに,大分県,兵庫県では廃止,神奈川県,栃木県でも学区制度の廃止の検討をしている. 少子化の中,生き残りをかけた取り組みが不可欠で,学区撤廃の動きが全国的に広がっている. 千葉県も,同じ方向に向かうのではないかと思われる.
<関連記事>
(2009年04月07日)今、受験戦争は@千葉県公立高校入学式編(7)
(2009年03月05日)今、受験戦争は@千葉県公立高一般選抜合格発表編(5)
(2009年02月13日)今、受験戦争は@京成津田沼駅編(4)
(2009年01月16日)今、受験戦争は@京成津田沼駅編(3)
(2009年01月08日)今、受験戦争は@JR南船橋駅編(2)
(2009年01月07日)今、受験戦争は@受験生応援食品編(1)
そのため,過去最低だった2008年度よりもさらに平均点は下がり,速報の集計値では平均230点になりそうだ. いままでは考えられないような点数だ. 2009年2月26日(1日目)には,5教科(国,数,英,理,社)の学力検査(学力テスト)がおこなわれた. 各科100点満点で500点が最高点となる. いままでの偏差値50のラインでは,5教科×60点で300点あたりになるのが普通だった.
過去の千葉県一般選抜試験の平均点の推移を見てみると,2006年の平均点が303点,2007年が293点,2008年度が265点と,年々難しくなっているのだ. 一時的なものではなく,意図的に難解にしているのだ. だが,千葉県は,難解な問題にしている理由を明確に説明していない.
その理由として考えられるのが,20011年度(現在の中学校1年生が対象)の入試から実施される,新入試制度を前倒ししているのではないかという説だ. 特色化選抜が廃止され代わりに,前期試験(1次募集)がスタートする. 前期試験は,現在の一般選抜に近い形態となり,普通科の場合定員の60%(幕張総合は80%)までの枠を学校別に設定できる. 現在の一般選抜は,後期試験(2次募集)に変わる.
とはいえ,一般選抜試験の難問化でも,全体の点数は下がるものの偏差値のしくみ上変わらない. しかし,その中身は異なる. 特に影響するのは,偏差値55以上の学校への受験生だ. いままでは,難解な問題が少なかったため,高得点者層は団子状になっていた. 結局,内申書でしか選抜できなくなっていた. しかし,この内申書があてにならないのだ. 中学校の内申点は絶対評価になったといえども,学校によってばらつきが大き過ぎる. 絶対評価の基準が曖昧だからだ. しかたがなく千葉県は,1科目あたりの平均内申点を 3.5 にするようにと指針をだした. 絶対評価の場合,ほんとうに全員が優秀であれば,平均 5 を出してもよいはずだ. でありながら,相対評価への変更とも受け止められるような指針は,すでに千葉県の内申点制度が破綻しているともいえる.
私立校のような難解な問題になることによって,高得点が散らされ,難関校にとってはより選抜しやすくなる. しかし,このような難問傾向にも課題がある. 学校では教えないような難解な問題になると,学習塾へ通う受験生が有利になるからだ. 「公立校という立場を考えると,金持ちだけが有利になるのはいかがなものか」という主張だ.
なぜ新入試制度を難しくしなければならないのか. そのひとつに,私立校の躍進がある. 特に,成績優秀者が都心の難関私立校や千葉県内の難関私立校へ流れている. 千葉県としても,なんとかこの流れを食い止めたい.
また,もっと遠い将来には,市町村の大規模合併や,県の廃止を前提とした道州制の導入制の流れがある. 千葉県には,まだ学区制度が存在するが,学区制度の全面廃止か地域の大幅な拡大もありえるかもしれない. すでに,大分県,兵庫県では廃止,神奈川県,栃木県でも学区制度の廃止の検討をしている. 少子化の中,生き残りをかけた取り組みが不可欠で,学区撤廃の動きが全国的に広がっている. 千葉県も,同じ方向に向かうのではないかと思われる.
<関連記事>
(2009年04月07日)今、受験戦争は@千葉県公立高校入学式編(7)
(2009年03月05日)今、受験戦争は@千葉県公立高一般選抜合格発表編(5)
(2009年02月13日)今、受験戦争は@京成津田沼駅編(4)
(2009年01月16日)今、受験戦争は@京成津田沼駅編(3)
(2009年01月08日)今、受験戦争は@JR南船橋駅編(2)
(2009年01月07日)今、受験戦争は@受験生応援食品編(1)